Culture Magazine from Beppu, Japan
Interview : Shota Kato
Photo : Kento Hirasue / Hans Kurihara
数年前からいくつものカレー屋さんができ、カレーだけを楽しむ大規模なイベントも開催するなど、気づけばカレーの街となった別府。その中でも県内外の人たちを虜にしている南インド式のカレー「ミールス」を提供するのがTANE。直接現地に赴き調理法を学び、直接肌で感じた文化や、日本とは異なるインドの思想を拡めるために活動する太田さんに話を伺った。
いずれは自分で何かしようと思っていたので、仕事を辞めて、奥さんと2人でタイやネパール、ミャンマー、そしてインドで1年弱過ごしました。
20代の頃にいわゆるバックパッカーみたいな感じでアジアを回っていたこともあり、その時にインドには一番長い期間いて、そこで現地の料理を自炊したりとか、現地の味を学んだりしていました。
アジアにいるときが一番リラックスできるというか、自由な感じを受けるんです。お金のある経済の豊かさではなく、人や土地の豊かさをすごく感じる。それはなんか、別府にも近しいものを感じてます。歩いてる人がアジア系の人が多かったり、山の感じとか、温泉があったりという感じで。
奥さんが福岡の久留米の出身だったこともあり、いずれは九州の方で住もうと考えていて、福岡とか宮崎とか色々と見た中でも、一番大分に惹かれて選びました。
最初は1年弱国東半島の方に住んでいて、そこでカレーの活動をしていたら、徐々に別府に吸い寄せられるようにご縁ができていったんです。
PUNTO PRECOGっていう別府北浜にある期間限定でお店を構えられるショップを紹介してもらったことがキッカケで、TANEのことを大分の人に知ってもらえるいい機会だなと。そこでは半年間お店をやって、期間が終わったらそのまま国東半島でお店をやろうと思っていたんですが、これがキッカケに別府に色んな人とのご縁ができてって感じですね。
僕たちみたいな、外から来ている人をすぐに受け入れてもらえる懐の深さというのは感じますね。いろんな人が流動的に出入りしているので、出会う人たちがいろんなところから来ていて面白い。なんというか、派手さのない面白さがありますよね。派手じゃないんだけど、なんか惹かれる。言葉にするのは難しいんですが。笑
飲食店を新規でやる身としては、PUNTO PRECOGだけではなく、湯布院にあるアナハタさんでもポップアップショップとして出店させてもらえたりと、地域として新しいことを始めることに対する寛容さは感じます。今も色んなお店が新しく出来ていて、これから20代の子たちも動き出すんじゃないかなって。
他には、お店を始める前は全然考えてなかったんですが、APUが近くにあることで、インド、ネパール、スリランカの学生さんたちがよく来てくれたりして、今まで以上にインドをすごく近く感じるようになりました。
基本的にはインドで知ったレシピでやっているんですけど、結局、日本の食材では同じようにはできないということに気づいたんですよね。そこから、現地の味をそのまま再現するっていうのは考えずに、自分自身が感じたインドを表現しています。
インド料理は野菜の美味しさがすごく大事。大分県には季節を感じる野菜がすごくあるので、京都や広島にいた時よりも野菜の美味しさをすごく感じますね。将来的には、自分で畑を作って、スパイスとか野菜を育てて、それを料理に活かしたいなと思ってます。
そもそも南インドの家庭料理であるミールスを初めて食べる方がほとんどなので、初めて食べた時の衝撃というか、味も美味しいと言ってもらえて、2回3回とまた来てもらえるのが嬉しいですね。
手探りではあるんですけど、1周年のタイミングで、友達の似顔絵作家さんに来てもらって3日間ここで似顔絵を描いてもらったり、ヨガの先生に来てもらって哲学会をやって、その後みんなでご飯を食べたり。
今も定期的にインドに行っていて、今回も1月に家族で3週間行ってきました。料理の勉強だけでなく、皿とかのモノも買い付けしているので、それをここで販売したりとか。
そんな形で、TANEで提供しているインド料理以外の部分でも、僕が感じてきたインドやアジアの考えや思想っていうのを伝えていけたら嬉しいなと思ってます。
大分県別府市駅前本町10-2
11:30-18:00(Last Order 17:00)
不定休(Facebookページを確認ください)
08039503457
なし
Facebook:https://www.facebook.com/TANEspice/
Instagram:https://www.instagram.com/tane_toyo/
Projects that we have worked over the years in Beppu.